当たり前の日常

趣味嗜好、ライフスタイル、生き方、哲学、LGBTQ、病気、障がい…などなど、それぞれ背景が異なる一人ひとりが暮らしやすい社会を「フレンドリー社会」といいます。誰にとっても、当たり前の日常がありますように。そんな当たり前の願いを叶えるために、いろいろ考えてみたいと思います。

新型コロナ闘病記 ⑤診察から検査、入院まで

夫が新型コロナに感染、入院して8日目になりました。ようやく解熱剤を使わなくても36~37度台になるようになりました。37度台が「低い!」って感じです。まだ肺炎の状態は続いています。

巷では、PCR検査を増やすべき、いやそうではないといった議論がまだ少し聞かれますね。ドライブスルー検査の話もあがっているようですが、どうなるんでしょうか。クラスター感染を抑え込むフェーズから、今はすでに市中感染、蔓延期にあたりますから、個人的には検査がもっと早く受けられて、軽症者には家から出ない、症状が悪化したらすぐ医療機関につながる仕組みができればよいとは思いますが、医療スタッフの数が足りないのかな…。あと、軽症ってどこまでのことをさすのかも疑問。39度以上の熱が何日も続いていても、軽症だから自宅療養と言われるのは、あまりにも不安すぎます。専門家の間でも見解がわかれるところかもしれません。

4月13日、発熱から7日目にようやく病院にかかれた夫。発熱している患者は院内に入ることができないため、外にテントがはられていました。夫がかかっている病院は、比較的大きなテントをはっており、中に入ると2メートル程度の間隔をあけて、待合のパイプ椅子が6脚、みんな外側を向く角度で並べられていました。テントの中では、防護服をきた看護師さん(2名体制)が問診票を作成し、順番に診察部屋へと誘導してくれました。問診票のほかに、自宅の療養環境に関するヒアリングもありました。同居家族の構成、家は完全に部屋を隔てることが可能か、高齢者や基礎疾患のある人との接触の有無などだったと思いますが、このときは私も精神的にいっぱいいっぱいだったので、ちょっと記憶が定かではありません。

テントで診察待ちをしている間、他の方の問診内容が聞こえてきたのですが、昼間は熱が下がるが夜中に高熱が出ると訴えていた人がいて、夫と私は、ああ同じだねぇと、無言でうなづきあっておりました。

夫が診察・検査(ちなみに場所は院内ではなく、外に小さな建物ができていました。どうやってあんな立派な建物つくったのかわかりませんが)している間は、看護師さんのご配慮で私は院内の喫茶店で待機することができました(発熱していなかったので)。なので、細かいことはわかりませんが、血液検査、レントゲン、PCR検査をして、ドクターに診療してもらうのに、全部で1時間くらいだったと思います。PCR検査の結果が出るまでには2日かかるといわれましたが、夫はレントゲンで肺に影がみられたため、即入院となりました。

PCR検査の結果は出ていませんが、新型コロナウイルスに感染している可能性が極めて高いということで、夫は隔離されます。まあ、隔離といっても、そう仰々しい感じではなく、あとでメールしてもらった写真をみると、一般個室だったようです。感染症指定病院なので、もともとそういった運用(病棟管理)には慣れているのかもしれません。

そして私はというと、濃厚接触者扱いとなり病棟には入れなくなりますので、入院が決まったその場で、夫とはもう会えなくなります。でも夫が病棟に誘導される前に少しだけ会うことができて、あれもってきて、これもってきて、的な話をしました。

そのあとは、急いで家に帰り、スマホの充電器、イヤホン、スマホスタンド、下着類、Tシャツ、歯磨きセット、電気カミソリ、フェイスローション、マスク、ティッシュ、コップをバッグにつめ、その日の夜飲む分のミネラルウォーターとポカリのペットボトル5本をもって、病院にUターンです。荷造りしている間、頭がパニックなので、「スマホまわり、下着、歯磨き、マスク・・・スマホ、歯磨き、水・・・落ち着け私、落ち着け」と声に出しながら荷物を確認していきました。寝間着とタオルは病院でかりればよいとのことでした。看護師さんからスリッパがあるといいといわれたのですが、病院のコンビニで買うことにしました。

再度病院に行き、荷物受け渡しをしたいので、と伝えると、院内に入ることができました。感染症の家族かもしれませんが、いいのですか?と聞きましたが、マスクをしており熱がないので大丈夫とのこと。でも、「あ、○○病棟の○○さんですか、はいはい」みたいな感じではありました。

しばらく待っていると、病棟ナースが大きなビニール袋を持って、おりてきてくれました。私が持ってきた荷物はすべて、そのビニール袋の中に。感染症対策ですね。さすがです。「今夜飲む分のお水です、重くてすみません」とペットボトルを渡すと、「助かります」とおっしゃっていました。感染症患者の病棟ナースは、患者の買い物の依頼も受けなければいけないからでしょうね。

最後に、「夫のこと、よろしくお願いします。夜中に高熱が出てしまうので…」と頭を下げると、看護師さんがこう言ってくれました。

「奥様、おひとりで今まで看病されてきて、本当に大変でしたね」

看護師さん、今すっごく忙しくて、本当に大変だろうに。そんな大変なときに、家族のことまで思いやってくれるなんて、なんて温かいんだろう。

この一言に、私は本当に救われました。それまで、誰からも「よくやったね、大変だったね」って言われなかったから。

お名前もお聞きしないまま別れてしまいましたが、退院するときにお会いできたらよいのですが。お礼の言葉を、きちんとお伝えしたいと思っています。

 

次は、夫の病状の変化について書きたいと思います。

 

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