当たり前の日常

趣味嗜好、ライフスタイル、生き方、哲学、LGBTQ、病気、障がい…などなど、それぞれ背景が異なる一人ひとりが暮らしやすい社会を「フレンドリー社会」といいます。誰にとっても、当たり前の日常がありますように。そんな当たり前の願いを叶えるために、いろいろ考えてみたいと思います。

新型コロナ闘病記 ④家庭内感染は防げるのか?

夫が新型コロナに感染して、現在入院7日目になります。私たち夫婦が体験していることをみなさんに共有したいとの思いでブログを書いています。病気そのものも怖いけど、感染症の副産物である「分断」も、とても怖い。だから、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思っています。

 

今日は、病院での診察、診断までの「実際」についてお伝えするつもりでしたが、急きょ変更。

ここ数日、アナウンサーや芸能人、テレビ局にお勤めの方の感染が報道されていて、さらにご家族への感染や感染疑いが報道されており、家庭内感染への恐怖が皆さんの間でますます広まっているのではと感じています。

確かに、一つ屋根の下で暮らす家族は、もっともリスクが高いといえます。でも、今日あるテレビ番組で、ある専門家の方が「家庭内では感染してしまうことはやむをえないでしょう」と発言されていたことには、当事者として、苦言をていしたいと思い、今日は「家庭内感染は防げるのか」について書きたいと思います。

夫が発熱したのは、13日前。そして7日前まで6日間、私は同じ家で暮らしていましたが、今私は熱もなく、その他の症状もありません。夫と最後に接触したのが1週間前ですから、まだ感染しているのか、していないのか、経過をみないとわかりませんが、今は何も異常がありません。

ここで私が言いたいのは、夫の発熱の2日目から、家庭内で感染予防を徹底したということです。私たちは医者でも感染症の専門家でもありませんが、できることはすべてしました。具体的にはこうです。

まず、部屋は完全にわけました。夫はトイレ、洗面所に行く以外は寝室から出ない、私はリビングをベースにしました。別の部屋で確実に距離をとっているときはマスクはつけていませんでしたが、夫の様子を見に行くときは、たとえ触れなくても、顔を近づけなくても、マスクを着用しました。夫は基本、ずっとマスク着用です。

夫は食事も寝室でとりました。食事の配膳も、手が触れないようにトレイにセットして、トレイごと渡しました。さげるのも同様です。当然ですが、食器類は念入りに洗い、万が一ウイルスが残っていることも考えて、夫が使った食器は洗い終わっても別にしておきました。

夫は夫で、最新の注意をはらってくれました。トイレや洗面所に行くときには、絶対に素手でノブなどをさわらず、タオルを使ってくれていました。トイレに入る前に石鹸で手を洗い、トイレから出てまた石鹸で手を洗うなど、高熱が出ているにもかかわらず、ウイルスを家に残さない最大限の努力をしてくれました。

それでも、もしかしたらどこかについているかもしれない。だから、何か作業をするたびに、私は手を洗っていました。

あと、髪の毛を結ぶ、袖はひじくらいまでまくっておく、ということをしておきました。顔に髪の毛がかかってかきあげることを防ぐためと、いざ手を洗うときに、よけいなところに触れないですむように、です。

夫はたくさん汗をかきました。なので、毎日何度も洗濯機をまわしていました。洗濯物を洗濯機に入れるとき、手洗い前にちょっとでも洗濯機にさわってしまったら、その場ですぐ消毒しました。これ、けっこうめんどくさくて、洗濯物をもって洗面所に行くと、洗濯機のふたが閉まっている、これでアウトなんです。ふた開けるときにウィルスついちゃうから。だから、フタとかドアとかはしめないようにしていました。ドアだって、うっすらあいていれば足でけったりして開けられますから。

あとは、換気を一生懸命しましたね。

夫が入院した日は、私は心も体も疲れ切ってしまい、倒れこんでしまったのですが、翌日は家中を消毒しました。ドアノブ、トイレの便座やレバー、シャワーヘッド、タオルかけ、タンス、ハンガーなどなど、考えられるところ、モノをすべて。消毒のプロではないので、ついうっかり素手でさわってしまうこともあります。そのたびに手洗いです。大切なのは、髪の毛を束ねておくことです。

布団のそばにおいてあった漫画とか、消毒の仕方がわからないので、厳重に包んで捨てました。まだ使用前の冷えピタがたくさん入っている箱とか、もったいないけど、そのまま捨てました。封のあいていないミネラルウォーターのペットボトルも、さわっているものと考えて、空にして捨てました。ごみ収集の人がさわってしまわないように、ビニールを二重にして。(重ねるまえに、手洗いです)

布団カバー、シーツ、毛布、ブランケット、タオル、衣類はもちろん全部洗うのですが、布団はどうしたものかわからず、今まだそのままにしてあります。ウイルスは数日すれば死滅するとどこかの専門家が言っていましたが、COVID-19が何時間、何日生息するのかなんて、誰も知らないはず。だから、最低でも2週間はそのままにして、のちのち天日干しにしようと思います。

というわけで、いまだに私は寝室ではなく、リビングで生活しています。寝室には換気をするときだけ入ります。

 

素人でも、ここまでのことはできます。このあと、もし私が発症してしまったら、なんだよ、やっぱりダメなんじゃんってなってしまいますが、「家庭内感染はやむをえないですね」なんて、専門家に言わせておいていいんでしょうか?

家庭内で感染しない、させないために、私たちはこんなにがんばっているんです。結果、私は、今とても元気です。

メディアに出ている人は、発言にもっと責任をもっていただきたいです。

みなさん、目の前のできることを、丁寧にやるだけのことです。めんどくさいけど、不可能ではないんです。自分と自分の大切な人の身を守れるのは、自分だけです。

そして、それでも感染してしまったら、感染させてしまったら、どうか自分を責めないでください。感染症のおそろしいところは、自分自身を責めてしまうこと。私たちもそうでした。でも、悪いのは誰でもありません。ただ、ウイルスに感染してしまっただけなのです。

 

次こそ、診察、診断について書きますね。

 

#新型コロナ #コロナに負けない #知恵の輪 #COVID-19